「ねぇ、でぶちゃん。わたし、言いたいこと言えないんだ。臆病でさ。……でも、いつもそれに気づいてくれたんだ」
「……」
"言いたいことが言えない"
"臆病"
確かに、俺があいつに抱いた第一印象はそうだった。
俺と成田が初めて出会ったあの日。
きっと成田は覚えてないんだろうけど、実は俺たち、入学式よりも前に、出会ってた。
そう、あれはこの高校の入試の日……。
偶然にも俺と成田は別の中学だったけど、同じ教室で、しかも隣の席だったんだ。
もともと、俺は他人にあまり興味がなくて。
……まあ、今の俺からは想像もつかないだろうけど。
その日も俺はただ淡々と試験をこなすだけのはずだったんだ。
なのに、試験1日目、予定外の出来事が起きた。

