いつの間にか教室に残っているのは、私たち二人だけだった。
「……」
「……」
何も言わない立花くんに、急に恥ずかしくなってその手をパッと離す。
立花くん……わたしよりも真っ赤じゃん。
「おまえは俺を殺す気か……」
「え? こ、ころす…?」
「分かんなくていいから。ほら、さっさと行くぞ」
「えっ、えっ?」
ぱっと手を掴まれ、そのまま引きずられるように歩き出す。
乱暴だけど、優しいその手。
前を歩く立花くんの顔は見えないけど、髪の間からちらっと垣間見える耳は真っ赤で。
わたしは、言いようもなく胸がぎゅっとなるのを感じる。
……自分でも、口に出してから初めて気付くことってあるんだ。
わたし、立花くんが、
こんなにも大好きなんだ。

