「うん、やっぱキスしよ? てかする」



と、意味不明なことを口走って近づいてくる立花くん。


ちょ、ちょっと待って……!




「だから、こういうのは……っ」


「ちゃんと付き合ってから、だろ?」


「……っ」




分かってるなら、さっさと離れて……




「なら、付き合ってるなら、していいんだろ?」


「え、」




それって、それって。


つまり───





わたしがそんな淡い期待を抱いた時だった。



わたしたちの間に、"何か"が凄いスピードで飛んできて、そのまま間をすり抜けて後ろの黒板にぶつかった。




「「……」」




わたしたち二人が同時に振り返ると、白のチョークが粉々に砕けて床に散らばっているのが見える。



こ、こんなことするのは一人しか思い浮かばない……。