でも次の瞬間、ぎゅっと抱き寄せられたことにパニックになって。
息をすることすら忘れる。
「た、立花く……!? ここ、廊下───」
「なに言ったの? 俺に。昨日」
「うぅ…そ、それは……」
立花くんにはわたしの声は届いてないんだろうか。
登校時間ということもあり、人通りの多い廊下でこんなことされたら……
みんな見てるし、早く離してよ!
ていうかそもそも、なんで抱きしめられてるの?
「成田ー」
「……っ」
優しい手つきで、髪を撫でられる。
まるで昨日と同じように。
───おかしい。何かがおかしい……。
「昨日おまえが俺に言ったこと、思い出させてみろよ」
この声色。
何度も聞いたからわかる。
……立花くんが楽しんでいる時と同じだ。

