ま、まあ……確かに言われてみれば。


わたし、立花くんのこと苦手だったはずなのに今思えばそうだよね。



言いたいこと、言えなかったし。


やめてって言えなかったのもあるけど……




「玲も、素直になれないってのもあったと思うけど、どんだけ意地悪しても離れてかないでくれる成田ちゃんだから、すげー愛しいんだと思うよ？」



「ええ！？」




い、＂愛しい＂！？


伊武くん、そんなこと言うキャラだっけ！？




でもこんなこと、他人の口から聞くだけでも、こんなに恥ずかしいのか……




真っ赤になってるであろうわたしを楽しそうに見て笑っている伊武くんに、少しわたしにも意地悪な心が芽生えてしまう。


よし、わたしだって反撃してやろう。





「……伊武くんもそうなの？」



「んあ？」



「その、好きな子には……意地悪したくなるもんなの？」




たったその言葉だけでピンときたようで。



「あいつには言うなよ？」



って余裕たっぷりに言う姿に、意地悪しようとしたはずのこっちが恥ずかしくなってしまう。