キョロキョロと教室内を見渡すけど、その目立つ姿は見当たらない。
きっと、違うクラスの友達か誰かと廊下でしゃべってるのかな……。
そういう姿、よく見かけるし。
……って、別にいつも見てるわけじゃないよ?
目立つから、目に入るだけであって。
「……あ」
いた、立花くん!
教室を出て、曲がり角を曲がった瞬間、一層目を引くその姿が目に入る。
だけど、声をかけることはできなかった。
だって。
立花くんの横には、笑顔で何かを話している女の子がいたから。
たまに一緒にいるのを見かける子だ。
学年でも可愛いって有名な、少し派手な女の子。
前に立花くんと話してたら睨まれたことがあるし、多分立花くんが好き、なんだ、と…思う。
……ただの勘でしかないけど。
「…えー、玲ってば……」
「……」
話の内容まではさすがに聞こえないけど、その子の高い声だけが少しだけ耳に届く。

