凜は手紙を読んでいて、過去の自分に笑ってしまった。
ああそういえば、私はこんな奴だったな、と。
宿題と言えど、あのときは何を書こうかと真剣に悩んだものだった。
手紙をしばらく見つめていたら、あの頃の自分が蘇ってきた。

当時、凜はとても暗い少女だった。
小学生の頃酷いいじめに遭い、人を信じられなくなっていたのである。
しかし、マネージャーとして活動していたサッカー部で、日々男子と話すような生活をしていたら、徐々に他人への不信感はなくなっていった。
高校でもサッカー部のマネージャーを続け、その後現役で第一志望の国立大学に入った。
現在もサッカー部のマネージャーを続けている。それと並行して行っているのは、心理学の勉強だ。
あの頃の自分と同じ思いをする子がいない世界になってほしい。
将来は、いじめ等で不登校になっている子供達のためのフリースクールを作ろうと思っている。

ふとあることを思いつき、凜は机の引き出しから水色のレターセットを取り出した。