「「滝川く〜んっ!!!」」
愛佳の言葉を遮るように、また女子の歓声が聞こえてきた。
「どうしたの?みんな。」
「心配したよ〜、どうしたの?遅刻してきたけど…」
「え、心配してくれてたの?でも大丈夫だよ、ちょっと寝坊しちゃったっ。」
そう言いながら恥ずかしそうに頭をかく滝川くん。
「相変わらず人気者だね。」
興味のなさそうに頬杖をかく愛佳。
まあ…私もかっこいいと思うし、天然で可愛いとも思う。
でもあんなに騒がないし…特にそんなに興味があるわけでもない。
「あ、愛佳、さっきなに言おうとしてたの?」
「あー。いや、襟花ってさ、蓮先輩や仁くん達と兄弟だってこと、自慢じゃないの?」
「そりゃあ自慢だよ?でも、私なんかと兄弟だってみんなが知ったら面倒くさいし、ガッカリするでしょ。」
「あんたってさぁ…ほんと無自覚なのね。」
「え、なにが?」
「いや、なんでもない。」
うーん…どういうことだろ。
