PM9:00
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..........【ピンポーン、ピンポーン】
一人暮らしの部屋に鳴り響いたチャイムの音。
別に煩くしていた訳でも、宅配便が届く予定も無い。
というかそもそも、家の親は言わなきゃ何も送って来ない(いや、言っても忘れて送って来ないことも多いけどさ。)
そんなことを考えながらこんな非常識な時間にやってきた来訪者は誰なのかと室内モニターを見ると見慣れない若い男の子が居た。
誰かは分からないが、取り敢えず手になんか持ってるし、出ないと...

「少々お待ちくださーい!」
少し声を張り上げて一言放つと同時にその辺に有った適当なワンピースを着て念の為チェーン掛けて、出る。
「あっあの、僕今度下の部屋に引っ越してきた、櫻木と申します。」
「あ、はい今ドア開けるのでちょっと待って下さいね。」
このご時世、せっかく挨拶に来てくれているのにドア越しじゃ失礼だと、ドアを開けると、そこにはなんて言うか爽やかな感じのイケメンが立っていた。