泣き笑い

「桐崎ってさ、いつもおんなじ事ばっかしてんのな」

「え?」


昼休み。

昼食を食べ終えた生徒たちは、みんな思い思いに過ごしていた。


私も例外ではなく、いつものように自分の席で面白くもない分厚い本を捲っていた。


「なあ、それ面白いの?」

「えっと…」


初めて話す相手だ。
けれど名前は知っている。それは私だけでなく、この学校の生徒ならみんな知っている名だ。

田島夕揮。
学校一の秀才にも関わらず、明るいオレンジ色の髪をした彼は、入学当初からよくも悪くも目立っていた。


私とは、縁もゆかりもない人だと思っていた。


「面白いというか、とってもためになる事がかいてあるの」

急いで口を開いた。

緊張のためか、いつもより声が上ずっている気がする。

「なんの?」

「えと…人生?」

真っ直ぐに目をみつめられ、またどもる。

「ふーん…」

そう言って、田島くんは上から下まで私を見回し、また口を開いた。


「お前がツマンネー理由、今よくわかったわ」