「七咲〜、朝ご飯できたよ〜。」

「…はぁ〜い…」

これが私のいつもの朝のスタート。
この、ドア越しに聞こえる『朝ご飯できたよ〜』という言葉で目覚めて私は部屋からでる。

ーガチャ

「紅にぃ、おはよう…」

私、月白 七咲。勉強はまあまあ出来るんだけど、運動が凄く苦手。そして、人付き合いも苦手(兄弟は除く)。今日から高校2年生。

「七咲、おはよう。」

今、私を起こして、朝の挨拶を返してくれたこの人は私の自慢の兄の紅にぃ。
大学生なんだけど、お料理も掃除も洗濯も勉強も、とにかく何でもできる完璧な私の兄。
(あれ?聖と瑆がいない…)

「紅にぃ、聖と瑆は?」

「それが、まだ起きてきてないんだよ。悪いけど、七咲が起こしてきてくれないか?」

「うん、わかった。」

とくに断る理由もない私は聖と瑆を起こすために、私の部屋の斜め向かいにある聖と瑆の部屋に行くことにした。


ーガチャ

「聖、瑆。起きて、紅にぃが朝ご飯できたって…」

「ぎゃー!七咲っ?!ノックぐらいしろよ!」

「…聖、朝からうるさいんだけど。たかが無言で姉ちゃんが部屋に入ってきたぐらいで騒ぐなよ。」

さっきの騒いでいたのが聖。私の弟であり、瑆の双子の兄でもある。勉強はかなり出来ないんだけど、スポーツがめっちゃ得意なのと、顔がまあまあ良く身長も180cmあるせいか、女子からかなりモテる。私と同じ学年で高校2年生。

次に、静かにツッコミを入れていたのが瑆。私の弟であり、聖の双子の弟。勉強も運動もかなり出来る。そして、こっちもまた、まあまあ顔がいいのでモテる。まあ、身長は普通(175cm)なんだけどね。こっちも、私と同じ学年で今日から高校2年生。

「…どうでもいいけど、サッサとリビングに来なさいよ?」

私はそれだけ言い残して、聖と瑆の部屋から出た。