……キーンコーンカーンコーン
「はい。ここまで。今日はSHRなしです。
解散してください」
やった、すぐ帰れる!
教科書をしまって鞄をとる。
「あの、如月さん」
「はい?…って」
卯月くん?!?!
なんで?!
「ちょっと聞きたいことあるんだけどいいかな?」
「あ、はい!」
いや、だめでしょー!
柊花の好きな人なんだから!
「…ごめん!誄歌!私おばあちゃんの家寄るから先帰るね!
…あ、雄飛くん…また明日ね!」
「うん、また明日」
柊花は小走りで出て行った。
卯月くんに話しかけられたことは…たぶんバレてないはず。
「あの、話って?」
「うん。わざわざ如月さんに聞くこともないと思うんだけど」
なんだろう?
全然話したことないのに…。
「葉月さんって、彼氏いるの?」
「え…柊花?いないと思うけど」
だって柊花は卯月くんが好きなんだもん!
「そ、そっか!俺実は葉月さんのこと気になってて…」
ええ?!
そうなの?!
すごい…両想いじゃん…。
柊花も好きなんだと言いたいけど、これは本人たちが言った方がいいよね。

