ミカとユリアはあの後、すぐに職員室に呼び出されていた。

「だから、ちゃんと説明しないと分かんないだろ?」
めんどくさそうに言うのは武山だった。

「何で校舎が違うのに、お前らが3組で揉め事おこすんだよ!」
「武山先生には関係ない事です」
ミカがはっきり言った。

「そんな訳にいかないだろ!ちゃんと説明しろ。佐田!!」
武山はミカではなく、何故かユリアに問いつめた。
「えっと、あの~」
「佐田さんは関係ないです。私が頼んで一緒に来てもらっただけなんで」
「本当なのか?佐田?」
「だから処分は私が全部受けるので、佐田さんは帰してもらえますか?」
「そうはいかないんだよー!現場にいた以上、佐田にも責任があるからな」
「あの、向こうは何て言ってるんですか?」
ユリアが聞いた。

「お前たちが一方的に、イチャモンつけてきたと言ってる」
「それは違います!!悪い事をしているのはあっちの方なんですよ!しかも、水沢さんは大友さんに手を‥‥」
「ユリア!!」
ミカがユリアを途中で呼び止めた。

「でも、ミカ‥‥」
ミカは首をゆっくり左右に振った。

「水沢さんの言うとおりです。目が合って、むかついたからイチャモンをつけに行ったんです。だから悪いのは全て私です」

ミカ何で?悪いのは完璧あっちなのに‥‥。
何で本当の事言わないの?
それに、手をあげられたのはミカの方なのに‥‥おかしいよ。

「まぁ、本人がそう言うなら仕方がないか」
武山は詳しく、追及もせず呆気なく認めた。

この人、最低だ‥‥。
只、自分がめんどくさいだけじゃん。

ユリアは納得がいかなかった。