FOREVER FRIEND

「ねぇミカ、相変わらず三井先生とは連絡とれないの?」
「うん、いつも留守電になる」
「う~ん、どうしちゃったんだろう?先生‥‥」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

「あぁぁっ!!」
ユリアが急に大きな声をあげた。

「えっ!?何、急にどうしたの?」
「もしかしたら可南子たちなら何か知ってるかもしれない!!」
「何で?」
「いつもやたらと色々な情報を知ってるから」
「じゃあ、聞きに行ってみる?」
「うん」
ミカとユリアは可南子の席に向かった。そこにはいつものメンバー、真美と明日香もいた。可南子たちと喋るのは久しぶりだった。

「ねぇ、ちょっといい?」
ミカが可南子に話かけた。

「えっ!?私ですか?」
可南子は突然、ミカに話しかけられ驚いていた。

「ねぇ、三井の事何か知らない?」
「三井先生の事ですか?」
「うん、小さい事でも、噂話しとかでもいいから、何か知ってる事あったら教えてもらえないかな?」
「う~ん‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「........................」

「あっ!?あの、本当かデマかは分からないんですけど‥‥」
可南子が言いずらそうに言った。

「それ、詳しく教えてもらえないかな?」
「分かりました、実はこの前、噂で聞いたんですけど‥‥三井先生、ハメられたらしいんですよ」
「‥‥やっぱり。でっ、誰か分かる?」
「はい、確か3組の人らしいんですけど‥‥名前なんだったっけ?」
「水沢でしょ?」
真美が答えた。

「そうそう、水沢アイです」
「でも、確か3組の人たちって校舎も違うし、エリートクラスの人たちだよね?」
「あぁ、だからやる事がたち悪いんですよ。特に水沢は頭の良さはケタ違いで有名なんです。だから人を見下してるんですよ。それが教師でも‥‥。
多分、三井先生みたいな慣れ慣れしく、フレンドリーな教師は水沢が1番嫌いなタイプなんじゃないんですかね?」
「う~ん‥‥ハメたってどういう風にか分かる?」
「はい、それはラブホに呼び出したらしいんです」
「ラブホに?」
「はい、『男に連れ込まれから助けてほしい』って三井先生を呼び出して、ワザと一緒にラブホから出て来る所を仲間に写真を撮らして、それを学校のホームページの『生徒何でもお悩みBOX』に写メ付きで送ったらしんです」

「えぇ、そんなぁ...ひどい」
ユリアが悲しそうな声で言った。

「ねぇ、その話しは誰からの情報?」

「Y高校の男です。2、3日前に合コンした時に偶然聞いたんです!
その男が水沢の男友達と仲がいいらしく、その子から聞いたって言ってました。でも、何処まで本当か分からないんですけどね‥‥」
「ねぇ、水沢ってどんな子?」
「見た目ですか?」
「うん」
「小柄で顔は童顔、髪の毛が長くストレートで体は細く‥‥。まぁ、見た目はめちゃくちゃ可愛い子なんです。性格が悪いようになんて全く見えません」
「そっか分かった、ありがとう!!助かった」
ミカが笑顔でお礼を言った。

「いっ、いえ‥‥大した事じゃないです」
可南子は初めて見るミカの笑顔に凄く驚いていた。

それもその筈だ。
普段のミカの顔しか見ていない人には笑った時の可愛い笑顔とのギャップにビックリする人は多い。

「可南子、教えてくれてありがとうね」
「どういたしまして~」