『トントン』
ガラガラガラガラ。
生徒指導の先生が入ってきた。
「すいません、大友さんの引き取りの方がお見えになりました」
「はい、じゃあ中に入ってもらって下さい」
ミカは梨華たちと問題を起こした為、1人で返してもらえず保護者の迎えを待っていた。
しかし、ミカには親がいない為、保護者は施設の管理人が迎えに来てくれるはずだったのだが‥‥。
「すいません。私、三井と申します!いつもの人は体調があんまりよくないみたいなんで、代わりに私が伺ったんですけど‥‥」
えっ、この人確か‥‥。
ミカは驚いた。
迎えに来たのが繁さんではなく、三井だった。
当時、ミカと三井の関係は顔見知りで、2、3回ぐらい挨拶をした事があるだけだった。
只、リオトの学校の担任で、よく施設に来ていた珍しい先生しか思っていなかったからだ。
「全然、構いませんよ!連れて帰ってもらえるなら誰でも‥‥どうぞ、そちらに座って下さい」
「はいはいー」
三井はミカの横に座った。
「じゃあ、三井さんさっそく本題なんですけど‥‥」
「はい」
「大友さんは相手に怪我を負わせてしまいました。大した怪我ではないのですが‥‥一応帰りにでも相手側の方に謝罪に行ってもらえるとありがたいんですが‥‥」
「何故ですか?」
「はいっ!?」
「だから何故?」
「何故って普通、考えたら分かりますよね?」
「えっ!?すいません、分かりません。私、普通じゃないんで」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
担任があからさまに面倒くさそうな顔をした。
「分かりました。じゃあ、詳しく説明しますね」
「はい、お願いしまーす」
「相手は、大友さんが殴ったせいで、鼻血がでたんです!
鼻血でも怪我を負わせたのには違いがないですよね?出血したんですから。
ですから、怪我をさせた側が謝りに行くのは当然の事ですよね?」
担任は小さな子供に話すように説明をした。
それは、誰が聞いても人をバカにしている言い方だった。
「じゃあ、ミカにも謝罪してもらわないとダメですよね?」
「はぁ?三井さん、あなたさっきから何言ってるんですか?」
「うん!?それはこっちのセリフですよー!」
「!?」
「あなたにはちゃんと目が見えていますか?確かに、ミカは相手を殴って鼻血を出させてしまったかもしれない。でも、この子の右頬は赤く腫れています!これは明らかに殴られた後ではないですか?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「後、ミカの髪の毛を見て下さい。髪の毛が少し濡れているのがあなたには分からないですか?何故だと思いますか?この姿を見てもあなたはミカだけが悪いと言えるんですか?」
「あっ、えっ‥‥と」
さっきまで強気に喋っていた担任は急に動揺していた。
「あなた本当はミカの事、気づいてたんじゃないんですか?ちゃんと生徒1人1人の事を見てあげていますか?あなたが守りたいのは生徒じゃなく、自分の立場じゃないんですか?」
「なっ、何を偉そうにそんな事をあなたに言われなきゃダメなんですか?
それに今は僕の事は関係ないじゃないですか!!」
「図星ですか?あなたは教師失格ですね!何故、教師になったんですか?」
「だから、あなたにはかん‥‥‥」
「こんな問題になる前に、あなたが止めていればこんな事にはならなかったはずです」
「じゃあ、お言葉ですけど、三井さんに教師の何が分かるんですか?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「フッ、まぁ、残念ですけど‥‥教師でもない、あなたには一生、分からない事だと思いますけどね、只の一般人は黙ってて下さい」
「お言葉ですけど、私は教師です!それに教師も只の一般人ですよ!」
「はいっ?」
「あなたみたいな教師がいるから、生徒がちゃんと育たないんです」
「じゃあ、そういう三井さんはちゃんとせい‥‥」
「まぁまぁまぁ、2人共落ち着いて下さい」
ずっと2人の様子を見ていた生徒指導の先生が話に入ってきた。
「三井さん、ひとまず今日は大友さんを連れて帰ってもらえますか?
明日から3連休で学校が休みなので、相手の話しもちゃんと詳しく聞いてから後日、どうするか決めますので‥‥今日のところはお帰り下さい」
「はいはーい、分かりましたー。じゃあ、失礼しまーす、ミカ、帰るぞ」
三井はあっさりとミカを連れ、教室から出て行った。
ガラガラガラガラ。
生徒指導の先生が入ってきた。
「すいません、大友さんの引き取りの方がお見えになりました」
「はい、じゃあ中に入ってもらって下さい」
ミカは梨華たちと問題を起こした為、1人で返してもらえず保護者の迎えを待っていた。
しかし、ミカには親がいない為、保護者は施設の管理人が迎えに来てくれるはずだったのだが‥‥。
「すいません。私、三井と申します!いつもの人は体調があんまりよくないみたいなんで、代わりに私が伺ったんですけど‥‥」
えっ、この人確か‥‥。
ミカは驚いた。
迎えに来たのが繁さんではなく、三井だった。
当時、ミカと三井の関係は顔見知りで、2、3回ぐらい挨拶をした事があるだけだった。
只、リオトの学校の担任で、よく施設に来ていた珍しい先生しか思っていなかったからだ。
「全然、構いませんよ!連れて帰ってもらえるなら誰でも‥‥どうぞ、そちらに座って下さい」
「はいはいー」
三井はミカの横に座った。
「じゃあ、三井さんさっそく本題なんですけど‥‥」
「はい」
「大友さんは相手に怪我を負わせてしまいました。大した怪我ではないのですが‥‥一応帰りにでも相手側の方に謝罪に行ってもらえるとありがたいんですが‥‥」
「何故ですか?」
「はいっ!?」
「だから何故?」
「何故って普通、考えたら分かりますよね?」
「えっ!?すいません、分かりません。私、普通じゃないんで」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
担任があからさまに面倒くさそうな顔をした。
「分かりました。じゃあ、詳しく説明しますね」
「はい、お願いしまーす」
「相手は、大友さんが殴ったせいで、鼻血がでたんです!
鼻血でも怪我を負わせたのには違いがないですよね?出血したんですから。
ですから、怪我をさせた側が謝りに行くのは当然の事ですよね?」
担任は小さな子供に話すように説明をした。
それは、誰が聞いても人をバカにしている言い方だった。
「じゃあ、ミカにも謝罪してもらわないとダメですよね?」
「はぁ?三井さん、あなたさっきから何言ってるんですか?」
「うん!?それはこっちのセリフですよー!」
「!?」
「あなたにはちゃんと目が見えていますか?確かに、ミカは相手を殴って鼻血を出させてしまったかもしれない。でも、この子の右頬は赤く腫れています!これは明らかに殴られた後ではないですか?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「後、ミカの髪の毛を見て下さい。髪の毛が少し濡れているのがあなたには分からないですか?何故だと思いますか?この姿を見てもあなたはミカだけが悪いと言えるんですか?」
「あっ、えっ‥‥と」
さっきまで強気に喋っていた担任は急に動揺していた。
「あなた本当はミカの事、気づいてたんじゃないんですか?ちゃんと生徒1人1人の事を見てあげていますか?あなたが守りたいのは生徒じゃなく、自分の立場じゃないんですか?」
「なっ、何を偉そうにそんな事をあなたに言われなきゃダメなんですか?
それに今は僕の事は関係ないじゃないですか!!」
「図星ですか?あなたは教師失格ですね!何故、教師になったんですか?」
「だから、あなたにはかん‥‥‥」
「こんな問題になる前に、あなたが止めていればこんな事にはならなかったはずです」
「じゃあ、お言葉ですけど、三井さんに教師の何が分かるんですか?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「フッ、まぁ、残念ですけど‥‥教師でもない、あなたには一生、分からない事だと思いますけどね、只の一般人は黙ってて下さい」
「お言葉ですけど、私は教師です!それに教師も只の一般人ですよ!」
「はいっ?」
「あなたみたいな教師がいるから、生徒がちゃんと育たないんです」
「じゃあ、そういう三井さんはちゃんとせい‥‥」
「まぁまぁまぁ、2人共落ち着いて下さい」
ずっと2人の様子を見ていた生徒指導の先生が話に入ってきた。
「三井さん、ひとまず今日は大友さんを連れて帰ってもらえますか?
明日から3連休で学校が休みなので、相手の話しもちゃんと詳しく聞いてから後日、どうするか決めますので‥‥今日のところはお帰り下さい」
「はいはーい、分かりましたー。じゃあ、失礼しまーす、ミカ、帰るぞ」
三井はあっさりとミカを連れ、教室から出て行った。

