ー始業式ー

長かった夏休みも終わり、今日から新学期が始まる。しかし、ユリアは新学期が始まる事が不安だった。

その理由は‥‥。
もちろん、可南子たちとの事だった。
ミカと仲良くなった今、どう接したらいいのか悩んでいた。
ミカとの事をちゃんと伝えた方がいいのか?
それとも、あえて何も言わないでおいた方がいいのか。
ユリアは答えが出せないまま、不安を抱え学校に向かった。

はぁ~、どうしよう可南子たちと、どんな感じに接したらいいんだろ?
今日、ミカは来れないみたいだから今日中に何とかしないと‥‥あぁ~、何か急にお腹が痛くなってきた。

ユリアは渋々、教室に向かった。
入り口の前で大きく深呼吸をしてから中に入った。

いつものように可南子の席に真美がいた。2人が楽しそうに話しをしいてた。
明日香はまだ来ていなかった。
ユリアはいつものように、可南子たちに近づき声をかけた。

「おはよう~、久しぶりだね」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

「‥‥‥‥‥‥‥チッ!」
舌打ちが聞こえた気がした。

しかし、ユリアは聞こえていないふりをして、もう一度話しかけてみた。

「この前、せっかく誘ってくれたのにごめんね‥‥」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

「あぁー!ちょーうざいんですけど!!」
可南子が大きな声で言った。

「シカトされてる事に気づけよ!バカ」
真美がユリアを睨みながら言った。

「えっ」
「えっ、じゃねーよ!!だからうざいって言ってんだろ。消えろよ!」
ユリアの頭の中は一瞬にして真っ白になった。

何故、自分がこんな事を言われているのか理解ができなかった。ひとまず、この場にいたくなかったので、急いで自分の席に向かおうとした。
すると‥‥。

「最低」
「裏切り者」
「死ねばいいのに‥‥」
後ろから可南子と真美の声が聞こえた。
それは初めて聞く冷めきった声だった。
ユリアは自分の席に着き、色々と考えた。

何であんなに怒ってるんだろう?
可南子たちはもしかしてミカとの事を知っているのかな?
裏切り者って私、別に裏切ったつもりなんてないんだけど‥‥。

ユリアが頭を抱え、考えこんでいると誰かに肩を叩かれた。
「!?」
驚いて振り向いてみると‥‥‥。