ユリアは走ってミカを追いかけた。
ミカはまだ、ゆっくり廊下を歩いていた。

「大友さん!!」
ユリアが後ろから叫んだ。

ミカは立ち止まり、ユリアの方に振り返った。

「あの、この前保健室の時、薬を置いてくれたの大友さんですよね?後、入試の時もやっぱ大友さんだったんですよね?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「私はあの2つ供大友さんだと思ってます。もう一度お礼を言わせて下さい。大友さん、本当にありがとうございました」
ユリアは深々と礼をしたが、ミカはそのまま歩いて行ってしまった。

でも、去り際にかすかに聞こえた言葉をユリアは聞き逃さなかった。

ミカが言ってくれた。

『どういたしまして』の言葉を‥‥。