12月に入り、もうすぐクリスマスの日が近づいていた。

ユリアはミカが入院中、毎日学校帰りに病院により、その帰り道に「パピヨン」で忙しい日だけルイの手伝いをしていた。


ーそんなある日ー

「ねぇミカ、クリスマスプレゼント何が欲しい?」
「う~ん‥‥特に何も」
「えー、何でもいいから言ってみて」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

「どう?何か思いついた?」
「う~ん‥‥特にないかなぁ」
「もぉ~、言うと思った」

「そういうユリアは何か欲しい物あるの?」
「う~ん‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥?」
「‥‥‥‥ない」
「ないのかよー!人の事言えないじゃん」
「だって急に思いつかないもーん」
2人で顔を見合わせて笑った。

しかし、ユリアはミカに嘘をついた。
本当は1番欲しい物がある。

それ以外は何もいらない。
でも、絶対に手に入らない。

私が欲しい物は‥‥‥。
どんな病気も治る薬が欲しい。
そんな魔法みたいな薬があったら、ミカの病気を1番に治せてあげれるから。
私はあなたがいてくれれば何もいらない‥‥。