ー次の日ー

ミカは検査の為、しばらく入院する事になった。ユリアは学校帰り、病院に立ちよった。

「やっほー!ミカ、調子はどう?」
「特に変わらない‥‥つうか、来るの早くない?」
「だって学校終わってすぐ走ってきたんだもん」
「そんな急いで来なくてもいいのに」
ミカが少し笑った。

「いいの、私が来たくて来てるだけだから」
「ありがとう」
「どういたしまして」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

「‥‥‥‥‥ユリア」
「ん?」
「今まで黙ってて、ごめんね‥‥」
「病気の事?」
「うん‥‥ユリアには余計な心配、かけたくなかったんだ」
「分かってる、じゃあ今ちゃんと聞かせてくれる?」
「分かった‥‥」

「私はね、生まれつき心臓が弱かった。
小さい時は発作がおきる度、死ぬかもしれないって言われてた‥‥。
だから、入院する事が多かった。
学校もほとんど休んで行けなかった。
でも、体の成長と薬のおかげで発作はあんまりおきなくなったんだけど‥‥」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

「それでも“長くは生きれない”」
「えっ」
「昔からそう言われてた。長く生きれても20歳ぐらいが限界かもしれないって‥‥。
それまでに新しく自分に合った薬や手術の方法が発見されたら奇跡は起こるかもしれないらしんだけど‥‥奇跡なんてそんなに起こるものではないからね。
いつかはユリアにもちゃんと全部、話さなきゃいけないと思ってたんだけど‥‥。
なかなか言い出すタイミングが分からなくて‥‥ごめんね」
「ううん、私の方こそ気づいてあげれなくてごめん」
「ううん」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

「ねぇ、ユリア‥‥こんな病弱な私でもまだ側にいてくれる?」
「何言ってんの!!このバカたれがぁ!!」
ユリアはミカの頭にチョップをした。

「痛!?」
「当たり前でしょ!!」
「フフッ、ありがとう」

ユリアはミカに病気の事を隠されていた事より、ミカが病気で苦しんでいたのに、気づいてあげれなかった自分の未熟さに腹が立った。

「じゃあ、今日はそろそろ帰るね、また明日くるよ」
「ありがとう、気よつけてね」
「うん、ちゃんと寝なきゃダメだよ」
「分かってる」

ユリアは病室を出て行った。
本当はもっとミカの側にいたかったが、ミカの体調の事を考え、なるべく早く帰る事にした。