ー1週間後ー

三井は学校に来れるようになった。
水沢が正直に全てを話したからだ。
あの、水沢が正直に話したのには理由があった。
三井は思ってた以上に、生徒からの信頼が高かった。だから、何人もの生徒から学校側に「三井先生を戻してほしい」と訴えがあった。
また、水沢には何か嫌がらせをしたりではなく、水沢本人に直接「真実を話してほしい」「先生を返してほしい」と何人もの生徒から頭を下げられ、頼みこまれたからだ。

さすがの水沢も白状しなければいけない状況に、追い込まれたしまった。



それから季節は変わり、だいぶん肌寒くなってきた頃だった。
この日は学校が休みなので、ユリアはミカと映画を見に行く約束をしていた。

ユリアは待ち合わせの場所で、約束の時間よりも少し早く来てミカが来るのを楽しみに待っていた。

しかし、いつもなら時間どおりに来るミカが今日はまだ、来ていない。

あれ?ミカ遅いな。いつもならもう来てるはずなのに‥‥電話してみよう。

プルルルルルル~、プルルルルルル~。
何回かコールを鳴らした後、留守電になる。

あれ?どうしたんだろう‥‥。
寝てるのかな?あっ!そうだ、ルイさんに電話して聞いてみよう。
ユリアはルイの携帯に電話をした。

『はいは~い』
「お疲れ様です」
『おっつー、どうした?』
「今日、ミカとデートなんですけど‥‥まだ、ミカが来ないんですよ。携帯にも出ないし、ルイさんミカ知りません?」
『ユリアちゃん、何時に約束してた?』
「10時ですけど‥‥」
『もう、30分も経ってるのかぁ』
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥?」
『ユリアちゃん、前に家の合い鍵渡したよね?今、持ってる?』
「は、はい‥‥」
『悪いんだけど、今すぐ家に行ってもらっていい?私は今、遠くまで買い出しに出ててすぐには行けないから、代わりにリオトにそっちに行くように言っとくから、すぐミカの所に向かってくれる?』
電話のルイの声はいつもと違って焦っていた。

「あの‥‥」
『ごめん、説明してる時間ないから、お願い!今すぐミカの所に向かってくれる、じゃあ、リオトに電話するから1回電話切るね』

ユリアはいつもと違うルイの態度に驚いたが、急いでミカのアパートに向かった。
アパートに着き、チャイムを鳴らした。