神崎さんは、可愛いですよ。
そんな私に、真面目な顔をして滑らかな声でそう話す彼に苦笑いを溢す。
本当に、彼は趣味が悪い。
「例えば?」
そんな彼に、少し意地悪をしてみたくなった。
さっきから自分ばかり顔を熱くさせられている気がして悔しかった私の、些細な抵抗だ。
すると、彼は何でもないように口を開く。
「姉御肌なのにお酒が苦手で、梅酒一杯で真っ赤になるところとか。」
「……なにそれ。」
「左利きだからか、普通のハサミが使い辛くてイライラしてるところとか。」
あと平気そうな顔して実は雷に怖がってるところも可愛いですよね。
そんなことを恥ずかしがる様子を微塵も感じさせず、表情を変えずにすらすらと話す。
どうやら私の作戦は失敗したようだ。
「……も、もういい。」
「あとですね、」
すらすらと言葉が出てくる彼の口を制するために声を張ると、彼はそんな私を気にする様子もなく続ける。
言葉を一度止める。
そして私の頬を包んでいるその手がその感触を確かめるように撫でた。
「首筋の痕を隠そうとして、苦手なタートルネックを無理して着てるところとか。」

