二階にあるあたしの部屋の前にやってきたカラス。チヅ。
<おはよう。今日は家族でドライブでしょ?>
ふふっと笑うチヅはカラスの中でもいちばんの美人…らしい。
正直何が違うのかよくわからないのだけれど。
仲良くなったのはここ一カ月だが、ずいぶん親しくなったチヅは毎朝あたしの部屋の前にいる。
『あ~、そういえばそうだったわ。
でもドライブなんて可愛いものじゃないよ。』
家族で出かけるなんて気が重い。
とはいえ、おばあちゃんが亡くなって再び軽く引きこもりになったあたしのためだということは重々分かっているから文句言えないのだけれど。
<ほんと昔のこと引きずるよね、美聡って。>
『嫌みのつもりならその話しは効かないよ。
自覚あるから。』
<あらそう?残念>
ってくすっと笑うチヅ。
嫌みな女だ、ほんと。

