<…さと…みさと…美聡!>
『あ、タマ。』
<お前、うなされてたぞ。またばあちゃん思いだしてたのか?>
目を開けば白に茶色と黒色の三毛猫タマがいた。
見渡せば自分の部屋。時刻は6時。
夏休みにはいって学校が休みになり、起床時間がいつも9時を過ぎるあたしにとっては早すぎる時間だ。
『最終的にはおばあちゃんだったけど…』
なんか変な感じだ。
自分の今までの18年間の人生を誰かに説明していたような気分だ。
<なんだそれ。>
タマはあきれたようにそう言うと、<てか熱い。窓開けろ、窓。>
『なんか偉そうだけど、それはあたしも思った。』
窓を開ければみーんみーんと蝉の声が部屋に入ってくる。
<あ、美聡、今日は早いのね。>
『あ、チヅ。おはよ。』

