〈ニートを恨んでいない獣はこの世にはいないのに、タマはお前を助けてくれって涙ながらに龍牙に言った。
その時点でスパイなんてありえないとは思っていたけどね、100%白じゃないとこっちもどうしょうもないだろう?
だからお前が起きたら心を読めばいいと思っていたんだよ。
だけどお前の心は読めない。
心が読めないのはね、あたし達獣の仲間だけなのさ。〉
ふわりと笑うユラは確かに最初の刺々しい様子よりいくらか柔らかくなっている。
『つまり、心が読めないあたしはニートサイドの者ではない、と?』
〈そういうことね。〉
ユラはそこまで言うと、〈みんなに通達を出してくる。〉と言って駆けていった。

