当時のタマは一歳だったがすでに俺様猫だった。



<なんだこの家、花のにおいが強すぎて俺の鼻が曲がりそうだ>




タマの第一声はこれだった。



『ぶっ。』


思わず吹き出したあたしをタマは

<ん?このへちゃむくれはなんだ?>と続けた。



カチンときたあたしは、おばあちゃんの手からタマを取り上げ


『へちゃむくれとはなんだ!』



と文句を言ってやった。




ポカンとした顔をして、<俺の言葉が分かるのか?>と言ったタマの顔はいつまでたっても忘れないだろう。