タマは伴性遺伝の具体例として取り上げられるほどの三毛猫のとても希少なオス猫である。



そんなタマと出会ったのは6年前のこと。


昔から動物と話すことのできる能力で恐れられていたあたしは友達はいなかった。


家族でさえ信じてくれないのに誰が信じてくれようか。




それが辛くて苦しくて、孤独で、嘘なんてついてないのに嘘つき呼ばわりされて



あたしは気がつけば引きこもりになっていた。



そんなあたしを危惧して、唯一あたしを信じてくれたのは母方の祖母だった。



「美聡ちゃん。」


『おばあちゃん!!』



小学校六年生の夏休み、おばあちゃんが突然我が家に遊びに来た。




………タマを連れて。