「それで? このオトシマエはどうつける気なのかな」
そう言った比呂くんは、わざとらしく頬をさする。
「殴ったのは悪かったよ。でも、あんな風にラブラブしといて、告白断るなんてやっぱり酷いと思う。麻実、かわいそう」
「はぁ? ラブラブ?」
「だって、そうじゃん。あんなに楽しそうに……私の前ではあんな顔しないくせに!」
言ってしまって、我に返った。
瀬戸くんの言葉が脳裏によみがえる。
今のはまるで。
(ヤキモチ……みたいだ)
「逆ギレされる意味が分かんないんだけど、とりあえずイラつくから黙ってくれる?」
直後、比呂くんの唇が私のそれに触れる。
比呂くんの手で頭を固定され、顔を背けることすら許されない。
「んんっ……ぁ……っん……」
比呂くんの舌が私をかき乱す。
理由もないのに、足腰の感覚がなくなっていく。
(何これ……私……おかしい……)
私の口内を散々荒し尽くした後、解放される頃には自力で立つことができなくなっていた。

