「お金を貰う以上、勉強はちゃんと教えるから」
私の様子を察したのか、比呂くんが言った。
「べ、別に、怖くなんか……!」
「へぇ。怖かったんだ」
「……!」
顔に熱が上っていくのを感じる。
しかし、比呂くんはさして気に留める様子もなく言った。
「早く座れって」
比呂くんに促されて、私は部屋の真ん中に置かれたローテーブルの前に座った。
気分が悪い。悪魔の手のひらの上で転がされているかのようだ。
(嫌な男……)
そして勉強が始まって数分、私は比呂くんの教え方が相当上手いことに気づく。
今まで分からなかったところが、次々に解決されていく爽快感。
正直言って、学校の眠たくなる授業より余程分かりやすかった。

