超絶絶叫コースターとやらの行列に二人で並ぶと、隣で円がポツリと言った。
「……比呂くんが一緒に乗ってくれるなんて思わなかった」
そりゃあ、そうだろう。
普段の俺達は主人と奴隷。
憎まれ口ばかり叩く奴隷ではあるが。
「別にまぁ、暇だったしね。そっちこそ、いいの? 大嫌いな俺とで」
本当だけど、嘘でもある。少し前の俺なら考えられないが、その日の俺は円に対して少なからず罪悪感を抱いていた。
「それはお互い様でしょ」
さらりと言った円に、俺への嫌悪を再確認する。当然だと理解はしたが、気分は重くなる。
「そうだな。いくら俺が鬼でも、あんなに乗りたそうにウズウズしてる奴を見捨てるなんて忍びなくてね」
あくまでも平静を装い、いつものように軽くからかうと、円ははっと赤面して俯いた。
そんな円が可愛くて、また笑みがこぼれる。

