義兄(あに)と悪魔と私

 
これだけ何度も円を傷つけてきた俺でさえ、昨晩のことは流石に堪えていた。

自分の行動に後悔する。
そしてそんな気持ちの変化に動揺して。

気まずい……そう思った時、円が少し興奮ぎみに話しかけてきた。

「そ、そういえば超絶絶叫コースターもう乗った?」
「……なにそれ」
「知らないの? お化け屋敷とジェットコースターの融合アトラクション。今人気なんだって!」

知らない。あまり興味もない。
けれど、円はどうやらそれに乗りたいらしかった。

一緒に乗るか、と提案すると円が遠慮がちに……でも目を輝かせたので、俺は思わず笑ってしまった。

久し振りだった。
思えば、いつも愛想笑いばかりしていたから。