「殴ったのは悪かったよ。でも、あんな風にラブラブしといて、告白断るなんてやっぱり酷いと思う。麻実、かわいそう」
ラブラブ? 正直意味が分からなかった。
いや、言葉の意味は分かる。そうじゃない。
「あんなに楽しそうに……私の前ではあんな顔しないくせに!」
そう言い放って、円ははっとしたように視線を逸らした。
当然だ。梶川の前の俺は、優等生の仮面を被った俺。
円の前で、今更仮面など被る必要はない。
冷たい視線、そっけない言葉。もっと酷いことをしている。
さぞかし俺が、悪魔のようにでも見えていることだろう。
だからこそ、何故彼女がそんなことを気にするのか分からなかった。
君は、悪魔に笑いかけて欲しいのか?
それは、まるで……

