次の瞬間、頬に鈍い痛みが走って、俺はようやく我に返った。
円がこちらを睨みつけながら、最低だと罵る。
今更だ。そんなの、自分が一番知っている。
しかし、円は俺と梶川のことを勘違いしているようだったので、そこは冷静に否定しておく。
コウが円を泣かせていると思った。
一瞬我を忘れた。そのことに動揺する。
円に悟られる訳にはいかない。いつものように円を冷たく見下ろした。
「もし、かして……断ったの?」
「だったら何?」
「そう……なんだ。ごめん……」
自分の勘違いに気づいて、先程の勢いがしぼんでいく円。
そんな彼女に畳み掛けるように言った。
「それで? このオトシマエはどうつける気なのかな」
友達おもいな子なんだな、と最初は思った。

