だけど見つからなかった。
どうすればいいのか、分からない。
「黙ってるってことは……認めるってこと?」
「何か……の間違いじゃ……ないかな」
ようやく絞りだした言葉も、空々しい。
そうであって欲しいという、願望でしかない。
「なら、間違いかどうか確かめようじゃないか」
タイミングよく、繁華街へ向かうバスが到着する。
私は二の句がつげないまま、バスに乗るしかなかった。
車内の乗客はまばらで、私達は一番奥の席に座る。
隣の比呂くんの表情には、怒りも失望なく、何を考えているのか分からない。
(確かめるって……どうやって?)
そもそも、比呂くんはいつから疑っていたんだろう。
知りたいことは沢山あったが、何をどうするのが最善なのか、私はまだはかりかねていた。
母の不貞を認めてはいけない。
それだけは分かる。
それが何より大切だった。私にとっては。

