「じゃあ、私バスだから……」
「うん、また明日ね」
バス停の前まで一緒に歩いて、私達は別れた。
自転車に載って遠ざかって行く麻実を見ながら、私はホッと息を吐く。
バス停は帰宅する生徒達でごった返していた。明日がテストで部活が休みのため、皆が一斉に帰宅するせいだ。
最後尾に並んでいた私は一本目のバスに乗り切れずに見送り、ようやく来た二本目に乗ろうとした。
「待って」
その時、誰かが私の腕をグイッと引っ張り、バスに乗るのを阻止する。
「え……あの、比呂くん!?」
私の腕を掴んでいたのは、まさかの比呂くん。
「ちょっと、付き合って欲しいんだけど」
「え? で、でもバス行っちゃうよ?」
「大丈夫」
そうこうしているうちに、客を全員乗せたと思ったバスは、私達を置いて走り去ってしまった。

