「何?」
「北見円です。よろしくね」
まるで初対面であるかのように、私は言った。この際、比呂くんへのフォローは後だ。
「……よろしく」
腑に落ちない顔をしながらも、比呂くんは自分の――私の隣の席に座った。
すると丁度タイミング良くチャイムが鳴り、担任教師が入ってきたので、とりあえずはそれ以上比呂くんと話さずに済んだ。
しかし……最悪なことは、重なるもので。
始業式の後のオリエンテーションでの担任の一言。
「明日の校内模試は春休みの宿題の範囲から出題します。各自勉強しておくように。それでは、解散」
最後の最後に爆弾が落とされて、私の高校二年生初日は終わった。
(もう、諦めるしか……)

