「それって……いつの話?」
「去年の夏……ちょうど一年前くらいかな」
瀬戸くんの答えに、少し動揺した。
(お母さんとおじさんが付き合い始めたのはいつ……?)
まさか、という思いが一瞬頭をよぎる。
「次は、北見が話す番だぞ」
瀬戸くんが急かすので、私は動揺を気取られぬよう、心を落ち着かせなければならなかった。
「前にも言ったでしょ。家族のゴタゴタだって。私の母親、新婚早々不倫してるの。それを比呂くんに知られてしまった。不倫女の娘なんて、嫌いになるでしょう? 普通」
瀬戸くんはあまり納得してはくれなかった。
それだけじゃないだろう、と追及してくる瀬戸くんをかわしながら、私はだんだん自分の気持ちが変わってくるのに気付いた。
一時は自棄にさえなっていった。
全て瀬戸くんに話してしまっても、かまわないと思ったのは本当だ。でも。
(このままでは……駄目)

