今から3日前のお昼過ぎのこと……。
大学の入試と土日が並んだ関係で、
3日前から今日まで4連休という素晴らしい日程から、
手をつけられずにいた衣替えをしようと、私は衣替えをしまって置いたクローゼットの一番下の引き出しを開けた。
するとそこには、
見覚えのないオシャレな服が、上から下まで、一式置いてあった…。
靴なんか御丁寧に、綺麗な箱ごと収納されている。
……私は、生まれてこの方、
こんな高そうな、オシャレーな服…
買ったことは愚か、来たことすらない。
なのに………
綺麗に畳まれた真新しそうなその服には、全てタグがなく、
一度は袖が通されたような、ぬくもりがあった……。
ふと視線をズラすと、その服の右脇には、これまた見覚えのない紫色のキラキラとしたビーズがあしらわれているポーチがあった……。
口紅、ファンデーション、マニキュア、マスカラなど…
私が物は知っているけど、使ったことのない、周りの人が使っているソレという程度の認識の化粧品の数々が、
これまた真新しくて高そうな物ばかりが、
そのポーチから、あれよあれよと出てきた。
知らない…。
こんなもの………
なんで……?
なんで私の部屋にあるの?
しかもクローゼットに綺麗にシワも伸ばしてしまわれてるの?
…お母さんである【まひるさん】は、
なにごとにも一生懸命で頑張り屋な人だけれど、けっして器用な方ではなくて………
特に洗濯物を綺麗に畳むのが苦手な人だ。
…この家は、まひるさんと私以外に、お父さんである【康太(こうた)さん】がいるけれど、
基本、康太さんは家事はやらない人。
…というか、そもそも康太さんは私の部屋には滅多に入らない。
となるともう………
考えられる可能性は、ただひとつだった…。
買われた服や化粧品はどれも真新しそうなものばかりだし、靴もあまり汚れていない…。
この連休の間に、家出と住み込みの仕事を見つけて出て行くしかない。
…普通なら、
ここで、両親に打ち明けるのが正解なんだろうけど、、
………9歳で引き取られてからというもの、
いじめられて引きこもり、
私が一方的に心を閉ざしても、
……ふたりは変わらず私と接してくれた。
その気遣いが、
ひねくれ者の私には、
【他人なんだ】と、
ふたりに言われているようで……………
苦しかった。
私は、もう……
気を遣われたくない。
私は、家出を、決意した。

