ターゲットの部屋のドアの前まで来た
手慣れた手つきでピッキングを済ませる

(さんざ練習させられたからな、将来鍵師にでもなろうかな)

そっとドアを開け、隙間から中の様子の伺う
ターゲットはエプロン姿でキッチンに立っているようだ

(腹減ったな)

ポケットから出したバタフライナイフの刃を伸ばす
背後から近づいていく
そしてナイフを、相手の首筋に向かって降り下ろす!

ガシッ

えっ

腕を掴まれ、ナイフが刺さることはなかった

(気付かれていたのか!)

なんとか手を振りほどき、距離をとってナイフを構え直す
ターゲットが振り返る

「誰?」

ターゲットは思ったより若かった、というか俺の同級生と変わらないくらいに

(あいつの情報あってるのか?もしかして人違い?)

まぁいい、とにかく顔見られたのなら仕方ない

「まぁ泥棒でもなんでもいいから、早く帰れよ」

「俺は泥棒じゃないんでな、帰れないんだよ」

何回か駆け寄り、ナイフを振るが最小限ともいえる動きでかわされる

「まったく、踏み込みもなってない」

そう言われた後にナイフを振ったとき、振ったほうの腕(右腕)を引っ張られ、蹴りを入れられた

ふっ飛んだ......自分の......身体が......

俺は窓ガラスを突き破り、ベランダの手すりに背中を強打し、勢いは止まらず落ちていく

「グアッ」

コンクリートに叩きつけられる
たが無駄に丈夫になったおかげで身体はなんともない......たがさすがに痛い......