「美優…。本当はこんな時に言うべきことではないし、もっと洒落たところで言うつもりだったんだが………美優、好きだ」

「…えっ?嘘……」

「嘘じゃない。あのパーティーで始めて君に出会って、一瞬で心を奪われたんだ。本当はもうちょっと距離を縮めてから…って思ってたんだが、今日美優が襲われている姿を見て、後悔だけはしたくないと思ったんだ」

「洋輔さん……」

「返事は今は聞かない。美優が落ち着いた時に、今度は車の中じゃないところでもう一度告白をする。その時に返事をくれないか?」









そう言うと、洋輔は美優から離れた。
洋輔にそう言われた美優は、困り顔をしていた。



そして、意を決して話し始めた。









「また今度…でなくてはいけないんですか?」

「こんな状況で聞いても、答えを出せないだろう?それに、弱いところに漬け込んでいるみたいで、俺自身がそれを許せないんだ。だから返事はまた今度で良い」

「……場所なんて関係ありません」

「美優?」

「確かにロマンチックな場所で言われればそれはそれで素敵かもしれません。…だけど、場所なんて関係ありません。洋輔さんが自分の想いを伝えてくれたことが嬉しいから…」

「っ……」








美優は涙を流しながら、真っ直ぐと洋輔を見つめ、微笑んでいた。
そんな美優の姿に、洋輔は息を飲み、美優の涙を拭おうと、頬を触った。