それから、どのくらいの時間が流れたのかはわからない。
時間にしてみれば、そんなに時間は経っていないのかもしれないが、2人の間にはゆったりとした時間が流れていた。
美優にとっては、心を落ち着かせるために必要な時間であった。
それをわかっていたのか、洋輔は特に話し掛けたりせずに抱きしめ、ただずっと頭を撫で続けていたのであった。









「洋輔さん、ありがとうございます。もう大丈夫です」








そう言うと、美優は洋輔から離れようとした。
しかし、それを洋輔は許さなかった。