「っ……」
美優は怖くなり、走り出そうとした。
すると突然、後ろから手を引かれ、美優はバランスを崩し、後ろに倒れてしまった。
「やっと捕まえた」
「っ……」
「酷いな…僕という存在がいながら、あんな男にちょっかいを出して、僕の気持ちを引こうとするだなんて…」
「な、なんで…?」
「なんで?それはこっちの台詞だよ。僕はいつも美優のことを見てたっていうのに…」
「っ…離して!嫌っ…誰かっ!」
「こらこら、そんなに暴れたら、周りの人が誤解するだろう?」
「誤解?私と貴方は何の関係もないわ!」
「いつも僕に熱い視線を送って来ていたのは美優だろう?あぁ…そうか。僕が何時まで経っても行動を示さなかったから、美優は拗ねているんだね。ごめんね」
「っつ…」
美優は男の一方的な思いに、恐怖心が募った。
そして、この状況からどうやって抜け出そうかと、困惑していた。

