それからさらに一週間後。
あれから特に変った様子も見られなかった。
美優は洋輔に気をつけるように言われていたにも関わらず、何もないことに安心しきって、警戒心を解いてしまったのであった。
何時もであれば、美優の学校が終わる頃に洋輔が迎えに来てくれていた。
しかし、今日は洋輔の仕事が長引き、会社を出るのが何時もよりも遅くなってしまったことで、渋滞に巻き込まれてしまったのだ。
洋輔は、学校のすぐ隣にあるカフェで待っているように伝えたのであったが、美優は最近何も起こらないことから、1人で帰ると言い、そのまま駅に向かって歩き出してしまったのであった。
暫く歩いていると、後ろから
コツコツコツ
と、後ろから着いてくるような足音が聞こえて来たのである。
ここ最近なかっただけに、美優は驚き、立ち止まった。
すると、後ろから聞こえていた足音も、美優が止まったことで、同じように足音が止まったのである。
何故洋輔が言っていたようにカフェで待っていなかったのか、早くも後悔していたのであった。
けれど、今更引き返すことも出来ず、美優は恐る恐る歩き始めた。
美優が歩き始めると、同じように後ろから着いてくる足音。
恐怖からか、美優は小走りになっていた。
すると突然、後ろから聞こえてきていた足音が走り出し、美優に近付いてきた。

