「たまたま近くを通ったから寄ってみたんだが……驚かせてしまったか?」
「っ…ちが…っ…」
「?!…泣いているのか?」
「ごめんなさい。でも、洋輔さんの姿を見たら安心してしまって…」
「何かあったのか?」
「…っ……」
「まぁ、いい。取り敢えず、車に行くぞ」
そう言うと洋輔は、美優のことを抱き上げた。
そんな状況に美優は驚き、暴れ始めた。
「洋輔さん…ちょっ……降ろしてください」
「大人しくしてろ。騒いでたら益々注目の的だぞ?」
「っ……」
そう言われ、美優は黙るしかなかった。
そんな美優の様子に、洋輔はクスリと笑っていた。
そして、美優を助手席へと座らせ、自分は運転席へと回った。
「さて、ドライブでもするか」
「えっ?でも…」
「ほら、シートベルトしろよ?」
有無を言わさない洋輔は、そのまま車を発進させてしまった為、美優は慌ててシートベルトを締めた。

