「まぁ、先ずは見てみると良い。それは美優にとって、悪い物ではない」
洋輔に促されるまま、美優は折られている紙を広げた。
広げてみると、何やら文字が書かれており、美優はその文字を読み始めた。
すると…。
「洋輔さん…これは……」
「そう。君が前に言っていたこの近辺で働きながらでも学べる学校のリスト」
「こんなに?」
「まぁ、お勧めなのは、此処と此処の二箇所だな。それ以外は、働きながらだとちょっと難しいところだが、一応リストアップしてみた」
「…っ…」
「迷惑だったか?」
「迷惑だなんて…そんなっ…」
洋輔の言葉に、美優は慌てて首を横に振った。
「ありがとうございます。洋輔さんだって忙しいのに調べて頂いて、とても嬉しいです」
「君に喜んでもらえるなら、調べるのは苦ではない。美優の喜ぶ顔が見たかったんだ」
「本当にありがとうございます」
美優は本当に嬉しそうに、洋輔にお礼を伝えた。
そんな美優の表情を見た洋輔も、満足そうな表情をしていた。

