俺様社長に捕らわれて







「あの時は君の話を聞いて、本当に自分の意思がない人なんだと思っていたんだ。だけど…、今日偶然君に会って話をしてみると、そうではないことがわかった。だってこんなにも君は自分の意見を言えるし、考えもあるんだからな。現に俺は君の言葉で心が軽くなった。ありがとう。それと、あの日、あんなことを言ってしまって悪かったな」

「そ、そんなっ…。お礼を言ってもらえるようなことは言ってないです。それに、長谷川社長の言ったことは間違ってないです。だって…私の人生の分岐点には必ず両親の導きがあったから…」

「それでも、君が嫌だと思ったらご両親にNoと言っていると思う。不満を言わなかった、ご両親の導き通り進んで来たということは、君自身が嫌ではなかったから。…違うか?」

「……確かに普段から嫌だと思うことは両親に伝えていますけど…」

「だとしたら、あの発言は不適切だった。もし、あの発言で気分を悪くさせてしまっていたのなら申し訳ない…」








そう言うと、洋輔は頭を下げた。
そんな洋輔の姿に、美優は慌てた。