「自分が思い描いていたように物事が上手く進まず、周りが見えていなかったようだ」
「それがわかっただけでも、良かったんじゃないですか?今の長谷川社長は、何だかスッキリした表情をしています」
そう言った美優の表情は、笑顔で溢れていた。
そんな美優の表情を見た洋輔も、頬を緩ませていた。
「君は凄いな」
「えっ?」
「君のお陰で心が少し軽くなった」
「そう言ってもらえて良かったです。何だか途中、家の話ばかりしちゃったので、迷惑だったかな…って思ったんです」
「いや、そんなことはない。それに、君の印象が今日でかなり変わった気がする」
「印象…ですか?」
「あぁ。俺がパーティーの時に言った言葉を覚えているか?」
「…はい」
美優は、パーティーの日のことをおもいだしているのか、眉間に皺を寄せていた。
そんな美優の表情に、洋輔はクスリと笑っていた。

