取り残された美優は、そのままオープンテラスへと移動した。
会場は人がたくさんいて賑わっているにも関わらず、テラスには誰一人居なかった。



美優は近くにあったベンチに腰をかけ、夜空を見上げていた。






すると、背後から他の誰かの気配を感じた。
美優は慌てて後ろを振り返ると、壁に寄りかかって此方を見ている男性と目があったのであった。









「何をしている?」

「慣れないパーティーで疲れてしまって…」

「…あまりこういう場に参加しないのか?」

「そうですね。小さい頃に数回参加したことがあるくらいで、最近は全く…」

「そうか…」

「貴方はどうして此処に?」

「いい加減、挨拶回りが面倒臭くなって来て秘書から逃げて来たんだ。そこにお前がいた」

「良いんですか?秘書の方が困っているんじゃないですか?」

「あぁ…問題ない」








そう言うと、その男は美優に近づいてきた。