「……そんな風に言われて、信じれるとでも思うか？」
「もし私が、藤堂社長のように娘を持つ父親であれば、自分が取った行動を信じろと言う方が無理だと思います」
「だったら、何故正直に話した？話さないという選択だってあっただろう？」
「確かに。でも、それでは隠しているみたいで嫌だったんです。それに、変に伝わるなら自分の口から説明をしたいと思いました」
「………」
「反対されても、許して…信じていただけるまで何度だって伺う覚悟でいます。私にとって美優さん以外考えられない」
「しかしな…」
「諦めません」
徹也の言葉に被せるかのように、洋輔は食い気味に声を発した。
「簡単に諦められません。それ程、真剣なんです」
「……娘は、我が家の一人娘でね。結婚をするなら婿養子と考えている。君は確か…」
「えぇ、一人っ子です」
「申し訳ないが…」
「何故反対をされるんですか？」
「それは勿論、我が社を継いで欲しいと思うからだ。ここまで築いてきた会社を潰すわけにはいかない」
徹也は真剣な表情で洋輔の顔を真っ直ぐ見つめた。
