会社に着くと、洋輔は午前中に入っていたいくつかの会議に参加をし、午後は書類の確認作業に追われていた。
「社長」
「何だ?」
「ジュエリーショップcloverの藤堂社長が、近々お会いしたいということで、日程を組みたいと先程連絡がありました」
「……美優と付き合うことがバレたか?」
「いえ…それは何とも…」
「でも、タイミングがよすぎる」
「彼女に聞いて見てはいかがですか?今日、これから会うんでしょう?」
「…それもそうだな」
「日程については、調整してこちらから連絡することになっています」
「わかった。調整はお前に任せる」
「承知しました」
すると、洋輔は腕時計で時間を確認した。
そんな洋輔の仕草に、圭人が見逃すはずがなかった。

