「クスッ…。キスしている時は鼻で息を吸うんだ」
「仕方ないじゃないですか…。まさかあんなキスをするだなんて思ってもみなかったんですから…」
「……もしかして、さっきのファーストキス?」
「…そうです。だって、男の人とお付き合いするのも初めてなんです」
「!!……そうだったのか…悪い」
「い、いえ…その…キスは嫌じゃなかったです。ただ、どうして良いのかわからなくて…っん……」
美優が話しているのにもかかわらず、洋輔はまたキスをした。
美優はぎこちなさがあるものの、先程洋輔に言われた通りにしていた。
洋輔は薄っすらと目を開けると、慣れてないのに必死についてこようとしている美優の姿に、笑みが零れそうになっていた。
そして、片手で美優の後頭部を押さえると、そのままキスを続けたのであった。
「んんっ……ぁ…っ…」
今だに続く洋輔のキスに、どうして良いのかわからない美優は、思わず洋輔の両腕を掴んだ。
その仕草に、洋輔はクスリと笑い、ようやく美優から離れたのであった。

